OSJ氷ノ山山系トレイル50マイルレース

 西日本で開催される数少ないトレイルランニングのレース、しかも、好きな氷ノ山山系のコースということで、楽しみにしていたレースですが、参加してきました。

 部分的な試走も3度行い、結構気合いは入っていたのだが、間抜けにも1週間前に風邪を引く。1週間練習を全休したが治らず、不参加も考えたが、「行ける所まで行ってリタイアでも良いかな」と思い、参加することに。

 受付は前日なので、前日移動し受付だけ済ませ、夜は車中泊。気温も高く、寝袋だけで十分暖かかった。朝5時半に会場に移動。風邪と高血圧による頭痛で頭がガンガンする中、6時のスタートを待つ。参加数は329人だったが出走数は320人ぐらいとのこと。

 6時定刻にスタート。少し車道を走った後、山道に入る。山の中、光の列が連なってなかなか綺麗だ。長距離のレースなので入りは遅いかと思ったが、自分が思っていたよりペースが速い。体調が悪いのでのっけから心拍も高く、発汗が凄い。距離が長いので「抑え気味」を心がけながら登る。十石山を越え林道に出るまでが意外と長かった。林道は長い直線路。出来るだけ足に負担をかけないよう林道の平坦路、下りは10km/h以下で摺り足気味に走ろうと決めていたのでそれを実践する。周りは唐松の黄葉が丁度見頃で綺麗だった。一旦登山道に入り少し登ると瀞川山山頂。鉢伏山は見えているが氷ノ山には雲がかかっていて見えない。今にも泣き出しそうなお天気で雨が心配になる。野間峠まで下ると鉢伏山まで緩い林道の上り。しかし、今回は走れる上りも6km/h前後の早足で歩くことにする。平坦、下りを走り、登山道の上りをそこそこのペースで登れば、それでも平均時速6km/h弱位はキープ出来るはず。

 鉢伏山の上りは殆ど階段。ストックを使えば楽に登れるのだが、使えないのは結構痛い。膝上に手を当てて足の負担を軽減しながら登る。鉢伏山山頂に着くと、もう200人くらい通過したとのこと。「こんな長距離のレースに出る人はみんな速いな」と思いながら下りに入る。大久保分岐を過ぎるとブン廻しコース一番の急な上りに選手が数珠繋ぎになっている。そこを越えれば大したアップダウンは無い。

 仙谷コースへの降り口には3時間37分で到着。仙谷コースは山歩きを始めた頃1度登っただけなのでもう記憶が無かったが沢沿いの急な下り道。途中、鎖場などもあり渋滞。その鎖場には石川弘樹さんがいて降り方など指導されていた。「やっぱり一般人とはちょっと違うな」なんて思わせるものがあった。下りは30分程でカバー出来ると思っていたが渋滞もあり、第1関門の自然ふれあいの里には4時間30分で到着。個人的にはこのコースを使用するのはどうかな、と思う。氷ノ山越から下った方が良かったのではと思う。

 5分程休憩したら扇ノ山を目指しスタート。平坦、下りも、ずっと走ると使われる筋肉に負担がかかるので時折歩きを入れながら進む。天気は晴れ間が覗いてきて良い傾向。頭痛も収まったが、逆に鼻水が止まらず息が苦しい。笹の葉が良いティッシュペーパーの代わりとなる。同じ人達と抜きつ抜かれつを繰り返しながら進む。今まで出たレース同様、上りで抜いて下りで抜かれるパターン。水は林道脇の沢から汲めるので無くなったら補充する。何時もならある程度運動すると発汗も少なくなるが今日は止まりそうにない。

 畑ヶ平登山口のエイドで一服した後、扇ノ山に登るが、まだ余力があり、まずまずのペースで登れた。頂上直下には7時間45分で到着。ここからのトレイルは上り以外は走ることが出来楽しかった。しかし、車道に出てるとアスファルトの道が結構辛く、下りでも最後歩いて、第2関門の上山高原へ8時間32分で着く。ここまで来てもまだ行程の半分程度。ちょっと気が遠くなる。ここも5分程休憩し先に進む。ここからの道は一度歩いているが、沢沿いの道。アップダウンはそれ程無いが、雨で濡れた上に多くの人が歩いてグズグズにぬかるみ、思いの外時間がかかった。肥前畑への舗装路の下りに入ると、疲れが出て来て、下りでも歩きが多くなる。脹ら脛も時折吊りそうな感じになるが、今回はサポーターとタイツを2枚重ねて着用している効果と抑えた歩き方のせいでつるぎのトレランや大江山の登山マラソンの時のような痛くて歩けないくらいになることはなさそうだ。

 分岐まで下り肥前畑への車道の上りで一気に身体が怠くなる。細かに補食を採ってはいたがどうやらハンガーノックのよう。肥前畑からの上りに入る手前で10分ほど休憩し、補食と水分補給を十分した上で峠への上りに入る。もう止まりそうなペースでしか登れなくなる。道は今回用に整備した、道とも言えないような道。最初沢沿いの道で非常に歩き辛く、苦しさに拍車をかける。日も暮れて途中からライト点灯。休まないと吐きそうなので休み休み登る。気が付くと前後に誰もいなくなる。やっと試走で歩いたところまで登ると峠のエイドは直ぐだった。この上りだけで52分もかかってしまう。ガスが出て来て更に寂しくなる中、「何時リタイヤしようか」と考えながら林道を下るが、下り始めると意外にもまた体調が戻ってきた。ここからはハンガーノックにならないよう短い間隔でチョコレートを水で流し込みながら進む。もう前とは随分離れたと思ったが、林道の下りで2人抜く。佐坊林道に入り、上りも時速5km/h後半くらいでは登れ、また何人か抜く。我慢していれば状況が変わることもあるので「簡単に諦めてはいけないな」と思う。しかし、下りに入ってまたしんどくなる。ずっと走って下りたいところだが自重して歩いたり走ったりを繰り返す。コースを判っているのは安心だし、ある程度時間計算出来るので、試走したことがここで生きてくる。第3関門の制限時刻1時間10分前までに秋岡まで下れれば何とかなるだろうと思いそれに向けて頑張る。

 20時丁度に秋岡まで下る。頑張ったがあと10分が稼げなかった。ここから第3関門の美方高原然の家までは試走で車で上がった感覚からして1時間はギリギリの線。上りを走る力はもう無いのでここも早足で5km/hの後半から6km/hくらいでひたすら登る。時間は刻々と過ぎる。あと制限時間まで10分辺りで関門辺りから「あとXX分、頑張れ」という大声が聞こえてくるが思ったより遠い。「間に合わない?」と思いつつも最後の力を振り絞る。そしてあと1分で150m程、坂を走って上り、最後50mをダッシュし何とかあと20秒残して関門に滑り込む。暫く立ち上がれず。72kmということだが、実際は81km位はあり、それを15時間でクリアするのはなかなか厳しかった。

 10分程休んだら落ち着いたので、スープを2杯いただき再スタート。身体が冷えて寒くなったが歩き出せば直ぐにまた身体が温まった。ゴールまでは3時間で11、2Km程だから全て歩いてもゴール出来るので、ペースを落として歩く。野間峠に出て一旦下り上りに入った所で、第3関門への上り道で話をした岐阜の岸川さんに追い付いたので、そこからはお喋りをしながら歩きゴールを目指す。トレランのレースのこと、トレーニングのことなど色々と教えていただく。最後のエイドでコロッケをいただいたあと、山道の下りへ入る。下りだからそんなに時間はかからないだろうと思っていたが案外長い。途中から往路とは違うコースになったが、何処を通っているのか暗いのでさっぱり判らず。結局同じ場所で車道に出た。

 ゴールは折角一緒に戻ったのだからと岸川さんと手を繋いで同時にゴール。今回は途中で何度か諦めかけたので、完走の喜びは一入だった。ゴール後豚汁をいただきながら最後の完走者を拍手で迎えレース終了。

記録
 時間 17時間37分00秒
 順位 139位(完走者数147人) 完走率 147/320=46%

GPSの記録
 距離   93.4km
 平均速度 5.3km/h

腕時計の記録
 上り合計   3996m
 下り合計   3965m
 消費カロリー 9330kcal
 平均心拍   135bpm

スタート風景

瀞川山山頂

大久保分岐付近

扇ノ山の上り

GPSトラックデータ(白色)

腕時計の記録