第一回白山・白川郷100kmウルトラマラソン

もう1週間経ちましたが、表題のレースに出て来ましたので、そのレポートです。

ランニングを趣味にしている間に100kmマラソンも1度は出てみよう、と言うことで、3月頃どのレースに出るか検討。割合近くのレースとして丹後とか四万十とかありますが、丹後は暑い時期だし、四万十は抽選なのと他のレースと重なるのでパス。他に適当なレースがないかと思っていたら、今年初めて白山・白川郷100kmウルトラマラソンが開催されることを知り、季節的に良いしコースも厳しいですが魅力的なので出ることにしました。

UTMFが終わって5月〜8月まではまずまず練習出来ていましたが、9月に入って親父が入院したりしたので、練習も半減しモチベーションも下がった状態での参加となってしまいました。

前日8時に岡山を出発。白山市市役所までは500kmも無いので14時には受付の白山市市役所に到着。受付を済ませた後、選手説明会までは時間があるので、市民交流センターの5階に上がり景色を楽しむ。天気も良く白山も綺麗に見えていました。そして、そこで出会った茨城県の方とはレースでもまた遭うことに。

何時もは選手説明会はパスすることも多いのですが、今回は参加し最後まで説明を聞く。24時間テレビのマラソンで伴走者としてお馴染みの坂本さんはこの大会を主催する会社の理事だったのですね〜。(そんなことも初めて知りました。)

今回は宿が取れなかったので車中泊。スタート会場の道の駅「瀬女」は2時開場なので、別の道の駅で車中泊。19時過ぎには横になったが、そんな早くから眠れるはずもなく、結局うとうとしただけでした。スタート会場の道の駅「瀬女」へは2時前に移動し準備する。38Km地点及び72km地点となる三方岩のエイドで着替え等の荷物を受け取れるし、2.5km間隔でエイドがあるので持ち物としては
 ・500mlのボトルに水半分
 ・スマートフォン
 ・小銭+車のキー
 ・単四電池1本のLEDライト
 ・サプリメント5本
 ・コースマップのコピー
 ・ハンドタオル
をUltimate DirectionのAK Race Vestに入れて走ることにしました。
靴は悩みましたが、スピードは必要ないレースなので何時もロード練習で使っていて履き心地が良いナイキフリーラン+3にしました。ナイキフリーランは既に4足目ですが、そんな長い距離を走ったことは無いので走ってみないとどうなるか判りません。準備を済ませ荷物も預けトイレの列に並ぶと、前の人が話し掛けてこられたので色々とお話をする。ハセツネカップにも出られたことがあるとのことでその時のことなどもうかがうことが出来た。トイレはギリギリ行くことが出来たが出る物も出ずスタートラインに列ぶことになった。

あと5分を切った頃から列んだので最後尾に近い所からスタート。100kmの距離を稼ぐため先ずは反対側へ5km程行って戻ります。街灯もあるし、みんなライトを点けて走っているのでライトは持たず走る。4時スタートにも関わらず、周りの民家の方も多く出て熱い応援をして頂いたのにはちょっとビックリ。お・も・て・な・しにただただ感謝。ペースはキロ7分弱くらいで進む。寝不足で眠いしお腹の調子も怪しいので、走るうちに快調になることを期待しつつ走る。

1時間15分程でスタート地点の道の駅まで戻る。道の駅を過ぎて暫くすると民家も無くなりいよいよ山岳に入る。エイドは2.5km間隔であるのでここからは全てのエイドに寄って補給しながら走る。しかし18kmの一里野温泉手前でお腹が急降下したのでエイドで長いトイレ休憩。出る物は出たもののその後もお腹の調子が良くないので我慢の走りが続きます。途中から日も昇り標高も上がると周りの景色も見えてくる。傾斜はあまり急な所はなく最高点である三方岩駐車場の手前4km辺りまでは走って登ったが、疲れてきたのと後半のことも考えてそこからは早足で歩くことにしました。お天気は最高で白山も良く見えて素晴らしい。白山スーパー林道は25年位前に一度車で走っていますが、その時は雨で何も見えなかったので、25年越しで白山を拝むことが出来ました。

最高点の三方岩駐車場には5時間8分で到着。先ずはエイドで食べ物と水分を補給。早くも左足裏に大きなマメが出来たのでワセリンを塗り直し、足の筋肉も結構疲労して来たのでボルタレンを塗りまくる。結局20分程休憩してから白川郷へ向けて下りに入る。下りだして2kmくらいの地点で早くもトップの人とすれ違うが、2位のランナーと離れているからか歩いて登っておられました。その後も続々と折り返して来たランナーとすれ違うが走っている人はそんなに多くなく、速い人も後半のこの坂を走って登るのはキツイようでした。15kmのひたすら下りも楽ではなく、エイド毎にしっかり休憩を取りながら下る。長い上りか下りしかないコースなので筋肉には非常に辛い。

長い下りが終わり、白川郷の周回コースに入る。平坦だと思っていたが案外アップダウンがあって辛かった。合掌造りの民家が建ち並ぶエリアは観光客も多いので、写真を撮りながらゆっくり歩く。途中観光客に何kmぐらい走るの?と聞かれたので100kmのうちの50kmを過ぎた辺りですと言うとビックリされた。

50kmの部のゴールである旧白川小学校へは7時間43分で到着。かなり疲れが出て来たので10分程休憩し、ラーメンや鍋を頂いて再スタート。そこから2km程で復路の登りに入る。この頃には気温も上がってかなり暑くなり日陰も無いので辛く発汗が止まらない。走って登る力はもうないので最大限の早足で頑張るのみ。途中で見覚えのある顔に追い付く。前日の市民交流センターで出会った方だった。8時間台の記録をお持ちの方だったのでレース中に遭うことなど無いと思っていましたが・・・。聞くとエネルギー切れを起こされた様子。速い人でもこんなことになることもあるのですね〜。上りもエイド毎に休憩。自販機でコーラを買って一気飲みしたら超美味かった。今回関門時間を頭に入れて無かったのでエイドで聞くと、三方岩駐車場が関門15時とのこと。計算すると余裕は全然ないことが判る。15kmの延々上りは兎に角長く、最後の2kmはかなりペースダウン。それでも何とか関門時間の22分前(10時間38分)に三方岩駐車場に滑り込む。

何とか辿り着いたもののかなりの疲労感。足の筋肉も何時痙ってもおかしくない状況。加えて左足をかばったせいか右足裏に4cm四方くらいの大きなマメが出来ていた。歩くようなペースでもマメが出来るということを知る。再びワセリンとボルタレンを塗りまくり、服を着替えてから15時過ぎに再スタート。下りに入るが足が思うように動かないのでそろそろと下る。最初はエイドのみの休憩が、1km毎→500m毎→100m毎に歩くようになり、最終関門の一里野温泉手前2kmくらいからは歩きとなる。時間が気になるが丁度その辺りでSUUNTO AMBITの電池が切れたのでスマホで時間確認しながら歩くことに。

一里野温泉へは関門時間の20分前に着いたが、関門100m手前くらいで気を抜いてしまったのか、一気に足が痙り暫し道路上で固まる。そして、立ち上がった時に貧血を起こしたのか、気が付くと道路脇の草むらに転がっていました。その間少しの時間だと思いますが夢を見ていたようでとても心地よい一瞬だったという記憶だけ残っています。気が付いて起き上がると周りにスタッフの人が囲んでいてリタイヤを勧められましたが、あと100m程で関門なので、取り合えず関門まで行ってから休憩し、その後どうするか考えることにしました。

筋肉痛は激しいものの、幸い10分も休憩すると落ち着いたので、8km先のゴールを目指すことにしました。当然ながらこの時点で最終走者。後ろから伴走車のライトを浴びながら進みますが、追い立てられているようで精神的によくありません(笑)。最初は足が痛くてゆっくりしか歩けませんでしたが、1km程歩いたらまた早足で歩けるようになったので、このペースを維持出来れば何とかゴールに辿り着けそうなので兎に角余計なことはせず一定ペースを保つことだけ考えて歩きます。途中2人抜き3人目の人に追い付いてからは1km程話しをしながら歩く。その後、その人は走って先に行かれましたが、あと3kmも過ぎた所で再び追い付き、今度は私が先に行くことになりました。あと2kmくらいからは民家の人が道に出て、口々に「良く来て下さいました、有り難う。あともう少しだから頑張って!」と、熱い応援をしていただきました。いや〜、こんなに応援が嬉しかったのは初めてかも。その応援に勇気を貰い、あと2kmを頑張ります。

スタート会場の道の駅瀬女まで戻るとあと1.2kmで残り24分程。やっとゴール出来ることを確信。ここからはスタート会場に戻る完走者と「お疲れ様」と挨拶しながらゴールを目指します。そしてゴールの白嶺小中学校まであと200mくらいの所で4人に追い付く。何とその中に市民交流センターで出会った方がおられたのにはビックリ。ここでまた遭うとは何かの縁があるのか?そんなことを思いながら先に行かせて貰う。小中学校に入ると残り50m程、最後だけは走って迎えてくれた人達とハイタッチしてゴール。時間は15時間47分07秒。初の100kmマラソンを完走した嬉しさとギリギリのゴールという悔しさが入り交じってちょっと複雑な気分でした。

ゴール後、あと5〜6km辺りで話しながら帰った方がゴールするのを待ちましたが結局その方はゴールされませんでした。ちょっと余裕があって頑張り過ぎたのが裏目に出たのでしょうか?ちょっとしたことで明暗が分かれるんだなと改めて思う瞬間でした。

結局自分は完走者の最後から6番目のゴールでした。先ずは完走でしたが、心の中では普通の100kmマラソンの制限時間である14時間は切りたいと思っていたので、力の無さを思い知りました。次はもっと涼しい時期の平坦コースの100kmマラソンに出て、12時間台ゴールぐらいを目指したいと思います。

その後、6時間かけて自宅に戻り、翌日は朝から仕事。限界が来てからも2時間程歩き続けた反動は大きく、流石に月曜日は仕事になりませんでした(汗)

最後に。
 スタッフ、ボランティア、地元の方々の最高のおもてなしに感謝です。好天に恵まれ景色も素晴らしく、コースの厳しさを差し置いてもまた出たくなる大会でした。また出る機会がありましたら、その時はもっと楽しめるくらいに強くなっていたいですね。

受付会場の白山市市役所

市民交流センター5階から望む白山

スタート風景

白山スーパー林道

林道途中の橋

白山とスーパー林道

三方岩のエイド

白川郷を走る(1)

白川郷を走る(2)

最終完走者