BESV JG1 使用感など

購入後まだ6回ほどしかライドしていませんが、ある程度バリエーションのあるコースを走りましたし、その中で色々と試したので、良い点、気になる点などまとめておきたいと思います。

まず良い点から(購入動機とも重なりますが)
・リアハブ駆動で一見してe-bikeには見えないスタイル。
 自転車に詳しくない人だったら、e-bikeとは判らないかも知れません。
・バッテリーが取り外し可能なこと。
 バッテリーを外して何処でも充電できるのは便利。バッテリーのサイズも小さく重量もそれ程重くないので、ザックに入れて背中に担いで走っても気にならないレベルでした。フレームにもう一本取り付ければ、予備バッテリー2本での運用も可能。
・e-bikeとしては軽い方。
 バッテリー容量を他社の機種の半分くらいに減らし、その分軽量化し、Mサイズ(大きい方のサイズ)で15.9kg。その日の走行距離に合わせて何本バッテリーを持って行くか変えれば良いだけで、この方法の方が大容量のバッテリーを積んで重くなるよりは良いと思います。実際、15.9kmでも結構重く車への積み下ろしも力が要ります。これが20kmオーバーだったら尚更。また、グラベルの急坂を押し歩きする場合などもあるので軽い方が良いですね。
・バイクとしての完成度の高さ。
 40万円とe-bikeしては手頃な価格ですが、全体的にしっかり作られていると思います。
・アシストなしで走っても違和感はあまり無い。
 平地の巡行では、もちろんロードより巡航速度域が落ちますが、25km/h以下くらいでの巡行ならロードと大差ない感じで走れます。もう少し重く直ぐに減速するように思っていました。
・エコモード(最小アシスト力固定モード)でもある程度の勾配まではロードより楽。
 自分の脚力では8%位の勾配まではロードよりは楽に登れます。10%位になると登れなくはないですが結構きついです。10%以上はスマートモードとの併用で乗り切ります。
・パワーモード(最大アシスト力固定モード)でのアシスト力はなかなか。
 ロード区間ではアシスト力が強くて楽過ぎる程。グラベルも何か所か走ってみましたが、
グラベルの上りでは丁度良い感じ。未舗装路の上りは抵抗が大きく、自力で登るのはかなりしんどい作業であることは昔MTBで経験済みなので、これが楽に登れると新たな楽しみが増えますね。

気になる点(不満な点)
・スマートモード(AIによるおまかせモード)
 ライドのレポートの中でも何度も書いてますが、スマートモードがあまり使えるものでなかったのが最大の不満点でしょうか。問題は4~5%以上の勾配位からでしょうか、それ以上の勾配になると最大のアシストレベル(レベル1~5の5)に張り付いてしまうこと。軽いギアにして高ケイデンスで回しトルクを掛けないようにしても同じでした。スピードを変えて走る実験もしてみましたが、5km/h位にまで落とすとレベル3になりますが、遅すぎるしアシスト時間が長くなって電力消費としては変わらないと思われます。アシスト比率(速度に反比例させてアシスト力を弱め、24km/h以上でアシスト力ゼロにするというもの)があるので、20km/h以上になるとレベル3以下になると思われるので、5~6%位の勾配を20km/h前後のスピードで走ってみました。確かにレベル3になりますが、自分の脚力ではレベル3のアシストを受けても5~6%の坂を20km/hオーバーで走るのは辛いので、楽に坂を登るニーズとは相反します。アシスト力レベル5を多用すると20~30km程しか走れないことは検証済み。自分は100~150km位のコースで、コースの殆どはロード、グラベル少々といったライドを行いたいと思っているので、このスマートモードではバッテリー2本あっても厳しいですね。取り合えず、出来るだけエコモードで頑張って、辛くなった時だけ数秒程度スマートモードに切り替える方法で対処していますが、エコモードだとアシスト力が弱いし、スマートモードだと強すぎるしで、快適ではありません。適度なアシスト力で楽過ぎず、辛過ぎずといった按排で登れるのが良いのですが、そうならないのが残念。自分の場合、8%位の坂まではレベル2、それ以上の勾配はレベル3以上位のアシスト力が丁度良いのかなと思います。レベル2なら電力消費を抑えられてロングライドにも対応出来ると思います。
 ・ライダーも様々で、強力にアシストされて楽に走りたい人、運動として自転車に乗っているので自力で走ることが主で、アシストは要所要所で効けば良いと思っている人、色々いると思います。それに体力や体格も違います。
 ・同じライダーでもその日の体調も違えば、走り出して直ぐと運動に体が慣れてきた時点でも違います。また、その日の気分で楽に走りたい時もあれば、頑張って自力で走りたい時もあると思います。
こういった点はAIでは判断出来ないので、アシスト比率を守りながら、その速度域で変えられるアアシストレベル範囲を自分で選択出来た方が効率が良く快適に走れると思います。車種がシティサイクルなら走る距離も短く、楽に走りたいというニーズが多いと思うので今のスマートモードで良いと思いますが、グラベル、ロード、MTBといったスポーツとしてe-bikeを楽しみたいニーズに同じスマートモードのアルゴリズムを適用するのはどうかな?と思います。

このスマートモードに関しては、早速メーカーに問い合わせてみました。
型式証明の問題があって、型式の認定を得て販売した商品に対し、後で仕様変更が可能かどうかというのはグレーゾーンのようです。他のユーザーからも同じような問い合わせがあったそうで、スマートモードのプログラム変更については検討してくれるそうです。電源スイッチの色替えからしてモードの追加は無理そうなので、スマートモードのプログラムを数種類用意し、ユーザーが設定変更で選べるように出来ないか、こちらからも提案しておきました。自分としてはレベル2固定モードが取り合えず欲しいところです。ゆくゆくはディスプレイなどのハードも含めた変更を検討しているそうです。

以下は要望レベルですが、
・フレームに予備バッテリーを付けると、ボトルと干渉する。ボトルゲージの取付け位置をもう少し下げた方が良いかな。
・前輪、後輪を外すのに6mmと8mmの六角レンチが必要ですが、標準装備でフレームにセットされていると嬉しい。
・ペダルが片面だけのフラットペダル。両面ペダルにしてもコストがそんなに違わないと思うので両面ペダルにして欲しかった。
・サドルもいまいち。試乗だけで痛くなったので直ぐに取り替えました。まぁこれは合う合わないがありますが。
・バッテリーの残量の表示が5段階だとアバウト過ぎるので、少なくとも10%刻みくらいにはして欲しい。
・ディスプレイの取り付け位置がもっと自由度があると嬉しい。ショップで少し調整して貰いましたが、もっとステム側に移動出来たら良かった。他のサイコンやライト、アクションカメラなどこの周りに取り付けたいものが色々あるので。
・折角ケイデンスやパワーも計れているので、ガーミンなど他社のサイコンと連携出来たら嬉しい。バッテリー残量やその時のアシスト力なども収集出来ると面白いです。

そんなところでしょうか。