7/24 ヤチシャジン(重井薬用植物園)

 これも岡山に所縁のある植物ですが、岡山県で現在確認されている自生地は無いようで、ほぼ絶滅状態の様。山地の植物なら人に見つかっていないだけってこともありますが、湿地の様な人間の営みに近い場所に生息している植物だけに新たな自生地が発見されるなんてことは厳しいかもしれませんね。昔確認されていた自生地などに探しに行ったこともありましたが、そんな超レアな植物が見つかる筈もなく見られないままになっていました。今年はヤチシャジンのことを久しぶりに思い出しましたが、自生のものを見るのは極めて困難と言うことで、重井薬用植物園に栽培されたものを見に行くことにしました。
 前日にユウスゲの観察会があったせいなのか、行ってみると今日申し込んでいた見学者は私一人。一人でもちゃんと案内していただけるとは嬉しいですね。と言うことで園長さんにマンツーマンで色んな植物について教えて頂きました。1時間ちょっとでしたが大変有意義な時間でした。園長さん、何処かでお見かけしたなと思ったら、何年か前に参加した蒜山サクラソウ観察会でも案内されていた方でした。
 ヤチシャジンですが、干上がってもダメ、水位が上がって根が水に浸かっても根腐れしてダメとなかなかデリケートな植物だそうで、その辺りが絶滅に近い状態になっている要因なのでしょうね。植物園の湿地でも一番低い所よりやや高い場所で水位が年中一定に保たれる場所に咲いていました。重井薬用植物園のものは岡山県広島県の県境付近(微妙に広島県産というのがちょっと残念ですが)に自生してい株の種子から育てたものだそうです。広島県にはまだ自生地が残っていますが、数株程度に減ったところから増やしたものなので、種子から増やした重井薬用植物園のものの方が多様性はあるとのことでした。また何時か自然の中で咲く姿が見られるようになると良いですね。
 重井薬用植物園、知りませんでしたが、昭和39年からスタートしているそうです。その頃から里山の環境を残し、そこに生息する動植物を保護しようと考えていたなんて先見の明がありますね。