マッコウ遭難

遭難事故からもう随分経ってしまいましたが。亡くなられた方のご冥福をお祈りします。

マッコウなんていうローカルな山の山名をニュースで聞くようなことがあるとは思ってもみませんでした。私も明瞭な登山道の無い山を登ることに情熱を燃やしていた時期があり、マッコウも無雪期、積雪期とも鳥取県側、岡山県側の両方から計4回は登頂していると思います。余戸の集落から三原台までも何度か歩いているので思い入れのある山の1つです。調べると最後に登ったのが2009年なので随分経ちましたが、今も明瞭な登山道は無いようですね。何年か前に自転車でお夏の墓まで行き、そこから作業道があるのを確認していましたが、今回そこから山頂を目指されたようてす。今はスマホで位置確認出来る時代になったので、「なぜ道迷いしたのかな」と思ってましたが、OHKの検証ニュースを見ると途中でスマホを落とされたようですね。ストックまで落とされたのはよく判りませんがパニックになったのでしょうか?私の場合、頻繁に位置確認していたので、落としても前回位置確認した場所までそんなに距離が無く、前回確認場所まで慎重に探しながら戻れば何とか回収出来るかなと思っていましたが、どうだったのでしょう?スマホに地図が入っていても紙の地図を持つのは勿論、故障も考え予備の機器や充電器も持っておきたいですね。
亡くなられた方は私と同い年だったのですが、私も50半ばを過ぎてとみに体力の衰えを感じるようになりました。そんな年代になって、猛暑日の続く時期に藪山に行ったのはどうだったのでしょう。私は昔、旧富村の富栄山が藪山だったころ夏に行って脱水症状になり「登山口まで降りられないかも」と思うくらいの状況に陥ったことがあり、その反省から夏場に藪山に行くことは止めました。昨今の暑さは20年30年前とは違うので尚更です。
あと藪山での失敗談では三室山から竹呂山の藪(今はシカの食害で藪でなくなっている)を漕いでいた時、根曲がり竹に弾かれ眼鏡を落としたことでしょうか。直ぐに見つかると思ったらこれがなかなか見つからず、この時は流石に焦りました。藪の中で目が見えなくなったのと同じですから。この時の反省からGPS機器の予備と共に眼鏡も予備を持って行くようにしました。眼鏡での失敗では台風の強風が吹く日に登って稜線に出た途端に眼鏡が吹き飛んで回収まで時間がかかったこともありました。
人間は上手く行くことを前提に考えるので、自分が失敗して経験してみないと解らないところはありますが、山では不測の事態も起こるので十分準備して行きたいですね。

 

追記

道迷いしないために自分がやっていたこと

・バリエーションルートを歩く場合、どういうルートで攻めるか地図を見ながら検討すると思うので、その時に地形を十分に把握しておく。

・周回コースにする場合、後半は一般ルートかバリエーションルートでも経験済みのルートにして無理をしない。

・藪漕ぎが酷い時は梱包用のピンクの紐を輪っかにしたものを用意しておき、往路で木の枝や笹に引っ掛けて行き復路で回収して帰る。

・要所で土にストックで×印を書く。

・要所で意識して景色を記憶に留める。特徴的な形の木とか憶えておく。特に振り返って復路で見ることになるであろう景色を記憶に留めておくのは効果があったように思います。

 

今回鳥取県側の谷筋をかなり下った所で発見されたようですが、八本越から谷筋を下り過ぎ、気付いた時には登り返す体力も無くなり、そのまま下って行ったのでしょうか?余戸から三原台まで歩いた経験があれば、三原台までは登山道があることが判っているので、八本越から谷筋を下り、早い段階で左(西)へ左へと進んで行けば何とか特徴的な地形の三原台へ出られたのではと思うのですが。