ニコン・クリーニングキットプロ使用記

レンズ交換式デジタル一眼レフカメラの場合、レンズ交換時に入り込んだゴミやシャッターユニットなど内部のメカから発生するゴミが撮像素子に付着し、撮影した画像に写り込む問題があります。私もこれまでCANON EOS D30、10Dと使ってきましたが、風景写真を撮った時に空に黒い点が写っていて「ん〜」という経験を何度もしました。レンズ交換の頻度からすると画像に写り込む割合は案外少なく、また、レタッチで簡単に消せることを考えると、それ程ナーバスになることもないのですが、折角撮った画像に黒い点が写っていると、やはり気分的に良くないのも事実です。
 ゴミが撮像素子に付着した場合、先ずはブロアーを使ってゴミを吹き飛ばしてみます。これで大体のゴミは取れますが、使っていくうちにブロアーではどうしても取れないゴミが出てきますので、この時はメーカーのサービスへ持ち込んでクリーニングして貰うことになります。しかし、サービスにカメラを出すとその間使えなくなるのでなかなかクリーニングに出せなかったりします。D30も10Dも結局1度クリーニングに出しただけでした。最近また10Dにブロアーではどうしても落ちないゴミがあり、どうしようかと思っていましたが、ニコンからクリーニングキットが販売されていることを知り使ってみることにしました。
 商品は「ニコンクリーニングキットプロ」と言い、ニコンのオンラインショップのみの販売のようです。お店で売らないのは、誰にでも奨めるような商品でなく自己責任覚悟の上でそれでも使いたい人にだけ売ります、という商品なのでしょう。価格は税込み8,190円で結構なお値段です。同梱品はクリーニングスティック、ブロアー、クリーニングクロス、シルボン紙、ブラシ、無水エタノールを入れるハンドラップ、クリーニング解説CD2枚。ブロアーやブラシなど単品で買っても大した値段しないものばかりなので、8千円という価格はクリーニングのノウハウの詰まったCDのの値段ということでしょうか。なお、無水エタノールは入っていないのでドラッグストアで購入します。500mlが1,200円程でした。
 CDは「クリーニングキットプロ説明CD」と「イメージセンサークリーニング説明CD」の2枚ありますが、クリーニング対象がレンズ・フィルターか撮像素子かの違いだけでクリーニングのやり方は基本的に同じなので「クリーニングキットプロ説明CD」の方でレンズ・フィルターのクリーニング方法について学べば、「イメージセンサークリーニング説明CD」の方は、ダブるところが多いので必要なところ以外あまり見る必要はないという印象でした。クリーニング方法については具体的に書くと営業妨害になりそうなので書きませんが、シルボン紙のスティックへの巻き付け方、無水エタノールをシルボン紙に染み込ませる量、拭き方(何処から何処へ向かって拭くか、力の加減、角度など)がノウハウの部分のようです。我流でやっても出来そうな気もしますが、プロのやり方を知ることで安心を買うということでしょうか。
 先ずはフィルターを使って何度も練習し、拭きムラが出来ないようになったところで10Dの撮像素子にチャレンジしました。シルボン紙を替えて2回拭いてから、白い紙を撮影してみるとブロアーでは取れなかったゴミがあっさり取れていました。やる前は撮像素子(と言うかローパスフィルタ)を傷つけないか不安でしたが、やってみると「こんなものか」という感じで、あまり危険性もなく、難しくもないといった印象でした。この程度のことならサービスに出すまでもなくこれからは自分でしようと思います。

クリーニングキットプロと無水エタノール

エタノールを染み込ませたシルボン紙でクリーニング

使用前

使用後