11/30 熊野古道トレイルランニングレース

今年の最終レースとして表題のレースのロングコース(50km)に参加して来ました。

熊野古道を走れる、丸山千枚田などの見所も多いということで、景色などを楽しんで走れたらと思って参加したレースでしたが、蓋を開けてみると結構厳しいコースと時間設定で、29km地点のA3赤城城跡エイドでタイムオーバーとなり失格でした。(A3赤城城跡エイドは30分制限時間が延長されたものの12分オーバーでした。例え通過できても、次のエイドやゴールの制限時間は変わらなかったようなので完走は無理だったでしょう。)完走も出来ず、かと言って、熊野の魅力を十分楽しめたわけでもなく、不完全燃焼で終わってしまいました。

自分の実力不足は勿論ありますが、大会運営の不備も多く感じられた大会だったので、その辺りについて記しておきます。

まず、この大会にエントリーする際にコース詳細などの情報は提示されていなく、50kmで制限時間9時間という情報だけでした。50kmを9時間というと、氷ノ山のような走れるコースなら完走出来ますが、下りも走れないコースだと厳しい時間設定なので参加するか迷いました。参加を決めたのは前年度のミドルコースの完走率の高さと熊野の自然や文化に触れるという大会コンセプトから考えて、それなりに走れるコースだろうと考えたからです。立ち止まって景色を楽しんだり、エイドでの休憩を楽しんでも十分完走は出来ると思って参加することにしました。

しかし、直前に発表されたルートラボのコースプロフィールを見ると予想よりかなり厳しいコースでした。それでも走れるコースなら何とかなるかと思いましたが、実際に走ってみると最初の上りやロープ場での渋滞で40〜50分くらいはタイムロスがあったのと、2つ目のピークからの下りは急で滑りやすくペースを上げられなかったこともあり上記結果でした。大会コンセプトから言って競技よりファンラン指向の大会だと思っていたので、あのコースであの時間設定は厳しかったと思います。(と言うか何も調整されていないのが正しいところだと思います。)リザルトを見ると完走率3割とのこと。OSJの八ヶ岳100マイルレースがそのような低い完走率だったと思いますが、それはあくまで競技志向の大会なので納得します。しかし、今回の大会はコンセプトから言ってもそのような大会ではないので明らかに大会運営として失敗だったと思います。レースだからと言って、競技志向の人ばかり参加しているわけではなく、ファンランを楽しみたい人も参加しています。同じ人でも頑張って走りたいレースもあれば、ゆっくり楽しんで走りたいレースもあるはずです。そのよう様様な参加者がいても7、8割程度の完走率に収め、完走出来なかった人も「7、8割も完走しているのだから」と実力不足、練習不足を認め納得してレースを終われるよう、コースや時間設定を調整するのものだと思いますし、それが大会運営者の腕の見せ所だと思います。今回はそのような調整がされておらず、まったく煮詰めないまま大会が開催されたのが残念でした。

問題点
・まず、エントリーに際して、コースの情報が無かったこと。参加するかどうかでまず注目するのは完走できるかどうかだと思います。頑張ったら完走可能なのか、それとも全く無理な大会なのか、それが判断できるくらいの情報は出して貰いたかったと思います。
・情報が出てくるのが遅かったこと。コース図が提示されたのが20日程前で、しかも、提示されたのが何処を走るのか判らないような粗い地図でした。国土地理院の地図と随分にらめっこしましたが、トレース出来ませんでした。1週間前になってルートラボにGPSデータが載せられ、やっと詳細が判り結構厳しいコースだと判りました。そのようなデータがあるのならもっと早く出して来るべきだと思います。自分の記事が雑誌に載ったなどの情報より先にです。レース前にコース図を見てどう走るかレースプランとか考えるのもレースの楽しみの1つだと思います。
・時間調整がなされていなかったこと。最初から夜間走行は前提にない大会なので制限時間9時間は変えられないところ。まず制限時間ありきの中で、いろいろと盛り込んだコースにしたことで、こういう結果になったのだと思います。第2エイドと第3エイドの制限時間の差が30分しか無かったことを見ても何も考えられていないことが判ると思います。距離7kmを30分でカバーするなんて先ず無理です。第2エイドをギリギリクリアしても第3エイドでタイムアウトはほぼ決まり、なんて時間設定はあり得ないでしょう。綱渡り的でも何とか次に進めるような時間設定にするのが普通だと思うのですが、この設定に誰もおかしいと思わなかったのが不思議です。
コースを作った時点で色々なレベルのランナーに試走して貰って時間を調べ、完走率を何処にするかも考慮したうえで時間設定をして欲しかったし、制限時間が変えられないならコース変更をして欲しかったと思います。
それから、ロープ場での渋滞などがあったため、第2、3エイドの制限時間は30分延長されましたが、第4エイドとゴールの制限時間は変わらなかったようです。遅れを後で取り戻せる訳ではないので、結局何処かでタイムアウトになることに変わりなく、単なる延命策だったように思います。この辺りも参加者を馬鹿にしている対応だったと感じました。
・その他(レースとは関係ない部分で)
前日受付時の駐車場に関して。案内には「雨天時は予定している学校の駐車場が使えません」とだけ。「じゃあ雨天時はどうするの?」と直ぐに思うと思うのですが、何の記載も無し。後でブログに代わりの駐車場の案内がありましたが、そういう点でも必要な情報が示されなかったり、出てくるのが遅かったりして、「大丈夫?」と思わせる大会でした。

3/5しかカバー出来ませんでしたが、コース自体は変化もあり、諸所見所もあり面白いコースだったと思います。そこそこ厳しいコースですが、時間設定さえちゃんとしていれば十分楽しめたコースだったと思います。出来れはもう2時間は欲しかったところ。そうすれば完走率もかなり上げられたと思います。夜間走行を前提にしないのであれば、ミドルコースぐらいで納めるべきかなと思いました。

最後に、道案内やエイドでの対応をして下さったスタッフ・ボランティアの方々、応援に出てくれていた住民の方々には感謝したいと思います。皆さん、熊野の良さを伝えたくてやっていただいたと思います。そういう点でも、運営上の不備で、それを十分感じ取れないまま終わってしまったのが残念でした。来年以降はコース設定や時間設定をもっと煮詰めたうえで開催して欲しいと思います。そこまでやってこそ「おもてなし」だと思います。