10/19 氷ノ山山系トレイルレース

去年は体調不良でエントリーしながら不参加となった氷ノ山山系トレイルレース、2010年、2012年に続いて3度目の参加です(2011年は大会中止)。今年は先週のハセツネに続いて2週連続の長距離レースに出てみるという実験でもあります。先週の疲れが残って走れないのか?それとも長距離レースに体が慣れて力が発揮できるのか?何れにしても今年はあまり気持ちの入った練習は出来ていないので制限時間15時間のこのレース完走は厳しいものになりそうです。

今年の氷ノ山は初めて鳥取側からのスタート・ゴール、岡山県人としては鳥取県側の方が近いので有難いです。(と言っても若桜町つく米までは3時間はかかりますが。)そして、初めて氷ノ山山頂を通るコースになりました。通過が早朝ということで登山者もまだ少ないので問題無しと判断したのでしょうか。

受付は前日のみなので、前日16時頃受付場所のふれあいの里氷太くんへ。今年は600人近いエントリー、過去出場した2回は2、300人規模だったので随分参加者も増えました。受付を終えたら、近くに食事所も無いので鳥取市まで行って晩御飯。たまたまネットで調べたラーメン屋さんが雑誌でグランプリに輝いたお店だったようで、開店時間早々多くの客で賑わってました。ラーメン、餃子、チャーハンを頼んだら量が多くて苦しい位でした。(鳥取工業高校前の鳥人という店)その後は朝食を調達してからはっとうの道の駅で車中泊

朝3時半に会場のわかさ氷ノ山スキー場へ向かい、4時過ぎに到着。朝食と準備を済ませて5時過ぎにスタート地点に向かう。車から出るととても寒くガタガタ震えるくらい。装備チェックを済ませたらスタートギリギリまでレストハウスで休憩。スタートの6時が近くなると夜も明けて来てライトは必要なさそう。スタート直後はスキーゲレンデ、その後の尾根道と急な上りが続き渋滞必至なので、今日は丁度真ん中位に位置取ります。ハセツネと違い制限時間が厳しいので渋滞であまり時間を取られる訳にはいかないのです。

6時にスタート。皆さん急なスキーゲレンデを元気に登って行きます。つられて最初からあまり頑張り過ぎ途中で失速するのも嫌だけど、どんどん抜かれて長い渋滞に巻き込まれるのも困るしで、その辺りの匙加減が難しい。久しぶりのこのコース「こんなにスキーゲレンデ長かったかな」と思いながら登ります。そして、登山道に入る手前辺りから渋滞。振り返ると最後尾から100人位の位置でした。秋晴れの良いお天気で遠くを眺めると恩原三国山辺りの山並みが見えましたが、大山までは霞んで見えませんでした。登山道に入った辺りでは数歩歩いては立ち止まる感じでしたが、登るにつれて立ち止まることが少なくなり、後半は休まず登れました。その分早くも脹脛が辛くなります。ハセツネ後、脹脛の疲れと母指球辺りの痛みが残っていたのでちょっと心配。

急登が終わり緩斜面を走り東屋へ。スタート前に済ませたのに早くもトイレに行きたくなったのでトイレ休憩。以前はレース中にトイレに行くことはあまりありませんでしたが年を取るといけませんね〜。トイレ休憩分、三ノ丸へは予定の1時間を若干オーバーして到着。東側の雲海がとても綺麗なので暫し立ち止まり写真撮影。何故1時間前の5時スタートにして、丁度三ノ丸に着いた頃日の出を迎えるようにしてくれなかったのか、それがちょっと残念なくらいの景色でした。

三ノ丸から氷ノ山間は緩やかなアップダウンの道、渋滞も解消し走れる所はほぼ走ります。途中、杉林下の泥濘道があり、何時も何処を通ろうかと思う場所ですが、ついに木道が出来ていました。このレースもあるということで出来たのでしょうか?何百人も一気に通過すると登山道がグチャグチャになりそうだと思っていたので、これはレース前に出来ていて良かったです。

予定していた1時間30分を7分ほど超過して氷ノ山山頂に到着。東側は雲海がまだ綺麗でした。北側の山並みも美しく、奥には後半訪れる扇ノ山、手前にこれから進む鉢伏山へと続く稜線、そして、紅葉。その中を走るランナーが豆粒のように見えています。先頭のランナーはもう何処まで行ったのだろう?そんなことを思いつつ景色を眺めながら補給を済ませて出発。

氷ノ山山頂からは木道の下り、滑りやすく注意して下るので速くは下れません。こしき岩辺りの岩場を過ぎると下り易くなるのでそこからはペースアップし鞍部の氷ノ山越まで一気に下ります。氷ノ山越からは緩いアップダウンが続きますが、速くもなく遅くもない丁度良い5、6人の集団に付けたので付かず離れず進みます。所々にある展望所からは紅葉と笹の緑の対比が綺麗でした。ホードー杉との分岐の先から急な下り、あまり踏まれてない方のルートを選択し一気に下って鉢伏山まで続くすすきの原に出ます。出場した過去2大会は天気が悪くここの景色を楽しむことが出来ませんでしたが、3度目にしてこのコースのハイライトと呼べる部分を快晴の中迎えることが出来ました。すすきの原の中の緩やかな道を走るのは正にトレランの醍醐味ですね。

鉢伏山へはスタートから3時間5分で到着。ここは休まず通過し、今度は急なスキーゲレンデを下ります。以前よりはこういう急な下りトレイルも足に負担をかけず下れるようになったのでスピードを落とさず下ります。スキー場を抜けると今度はとちのき村への未舗装林道の下り。同じ下りでも林道や舗装路の下りはどうも苦手でペースが上がりません。さっき抜いた人にまた抜かれたりします。人それぞれ得手不得手があり、同じぐらいの実力の人と比べると、私は上りとトレイルの下りは少しアドバンテージがあるものの、林道や舗装路の平坦や下り道で負けてしまうことが多いようです。

第一関門のとちのき村には3時間35分で到着(制限時間は4時間30分)。予定より5分超過しましたが、ほぼ予定通り。エイドにはチョコレートくらいしか食べ物がなく年々貧相になっているような。せめてバナナくらいは用意して欲しいところです。水だけ補給し、羊羹を口に詰め込み、10分を予定していた休憩を5分に短縮し、再スタート。

とちのき村からは6km弱舗装路の下りが続きます。下りも長いと楽ではありません。特に長いトレイルの後舗装路を走ると固い路面が足に来ることを実感出来ます。秋岡まで下ると今度は佐坊まで舗装路の上り道。車道ながら急な道が続きます。この辺りの集落に住んで毎日歩いて上り下りしていれば特別にトレーニングなどしなくても十分鍛えられそうです。ここは全て早歩きでカバーします。佐坊林道入口のエイドではコーラがあったのでいただく。疲れた時のコーラくらい旨い飲み物はないですね。

佐坊林道に入ると暫くは未舗装の上り道が続きます。この辺りから疲れも出て来た上に、加えて頭痛の症状も出て来ました。中盤の苦しいところなので、ここは走れそうな所も無理をせず早歩きに徹し、また体が楽になるのを待ちます。林道の最高点辺りが仏ノ尾という山の登山口ですが、以前は無かった登山口の大きな案内標識がありました。ここを過ぎると下りなのでまた走り始めますが、暫く走ると体が楽になりました。長距離レースも何度か経験すると、一旦疲れて苦しくなっても、またスーっと体が楽になり、それが繰り返すことを体感出来ます。我慢どころ、頑張りどころが経験として少し判ってきた気がします。

林道を下り切ると舗装路に出て、出た所がエイド。ここは水だけ補給して、休まず先へ進みます。暫く緩い舗装路の上りなので、歩きながら羊羹を口に詰め込んだあと走ります。そして舗装路から右に折れて再び未舗装林道に入り論山という山の峠へ登ります。峠の傍らには石仏も安置してあるので昔も利用されていた峠道なのかも知れませんが、峠から肥前畑までの山道はなかなかの酷道です。過去2回は上りだったので、急で滑る道にかなり消耗、今回は下りなので楽だろうと思っていましたが・・・。前半はブナ林の中の九十九折の道なので軽快に下れましたが、後半は沢沿いの道で既に多くの人が通過して道はぬかるみ、滑ると沢に落ちてしまう状況が続きます。落ちて怪我した人はいなかったのかな?何百人もここを下らせるのはちょっと危険過ぎる気がしました。流石に慎重に成らざるを得ず一気にペースダウン。一歩一歩踏ん張って降りないといけないので下りなのに結構消耗しました。

肥前畑のエイドには7時間10分で到着。第二関門の制限時間まで1時間20分。思ったより時間がかかっているので、ここも5分で補給など必要な作業を済ませて先に進みます。肥前畑からは青下に向けて先ずは舗装路の下りが続きます。また体が辛くなって来ましたが時間も押しているので頑張って走ります。5km程下ると最低標高地点、ここから扇ノ山山頂手前まで標高差約1000mの上りの始まりです。先ずは分岐を右に入り、第二関門のある青下の集落まで登ります。

第二関門には7時間55分で到着。制限時間まで35分。第一から第二関門までは林道や舗装路が主なので貯金出来る区間と思っていましたが、逆に30分の借金。第三関門の制限時間まで3時間程、第三関門までのコースを考えると結構ギリギリラインなので、ここも5分で補給を済ませ先に進みます(ここからは羊羹は止めて短時間で摂取できるジェルに切り替えました)。登山道への入口では集落の人が出て応援してくれました。この大会が青下集落に何か恩恵をもたらしているとは思えませんが、それでも応援してくれることに感謝。

登山道に入ると先ずは植林の中の急な上りが続き、ブナ林になると緩やかになって尾根道に合流します。丁度10人くらいの集団に付けたので、遅れそうになりながらも兎に角離されないように付いて行きます。そして尾根道に出ると平坦部分だけは走り、緩い上りは早歩きでカバーします。上山高原のエイドには第二関門から丁度1時間で到着。上山高原では西に傾いた日に照らされたすすきの原が輝きとても綺麗でした。

上山高原からは登山道入口まで舗装路の上りが3Km程続きます。まだ走って登る元気な人もいましたが、ここも平坦、下り以外は早歩きでこなします。そして登山道の上りに入ると、先ほど走って抜かれた人に追いついたりしました。やはり人それぞれ得手不得手があり、バイオリズムも違うのでそうなってしまうのでしょう。扇ノ山もブナ林が美しい山ですが、丁度西日が差し込み、ブナの黄色い葉が照らされ見事な風景。時間に余裕があれば構図を考えて写真を撮りたいところですが、制限時間ギリギリで推移しているのでその余裕も無し。上山高原から扇ノ山山頂手前までも丁度1時間でカバー。残り1時間で登山道と林道合わせて3km強の下り。まず間に合いそうですが、また調子も出てきたので、下りをガンガン下ります。

第三関門の東因幡林道ゲートには10時間33分で到着(制限時間11時間)各エイドでもっと休んでいたらほんとにギリギリでした。しかし、残りは林道と舗装路のみで、本格的な上りも無し。距離も20kmもないので全部歩いても完走は出来ます。過去2大会も最終関門をクリア出来たらまず完走は出来たので氷ノ山の大会はゴールより最終関門が最大の難関のようです。完走は出来そうだと判ったので、初めてゆっくり休憩します。最後の最後でハンガーノックにならないよう、羊羹2個と水分を十分採ってから長い林道に入ります。

しかし、一気に胃に物を入れたせいか、もたれて苦しく暫く歩くことに。ハセツネの時と同じ失敗を繰り返し我ながら学習が出来ていません。それでも4、5km歩くとまた復活してきたので平坦、下りは走ることに。丁度日没を迎え林間から望まれる夕焼けと東山辺りの稜線が綺麗でした。林道を半分くらい進んだ所でいよいよ暗くなってきたのでライト点灯、今日も短時間ですがナイトランを楽しめます。林道後半は結構走ったので、林道前半で抜かれた人の多くに追いつき、舗装路へ。

しかし、舗装路に出るとまた苦しくなって下りなのに歩いたり走ったりの繰り返し。あと1km位のところで抜かれた人の「あともうちょっとだから頑張りましょう」の声に勇気をもらい残りを頑張って走ることに。そして、最後のスキーゲレンデを一気に駆け下りてゴール。タイムは13時間23分26秒でした。今年は完走が厳しいと思っていたので今の実力からすると上出来かな。初の2週連続長距離レースでしたが、2つとも完走という良い結果となりました。

装備

・ザック    YURENIKUI ZAINO
・水      1リットル
・捕食     羊羹7個、ジェル5個
サプリメント 10本
・衣類     レインウェア上下、アンダーウェア着替え、手袋、アームウォーマー、       帽子、ウィンドブレーカー
・シューズ   モントレイル ログフライ
・ライト    メイン SILVA トレイルランナー2
        サブ  KLARUS MIX6
スマホ
・デジカメ
・その他    エマージェンシーシート、熊鈴、ホイッスル、ボルタレン

腕時計(エプソンSF−710)の記録

タイム    13時間23分26秒
距離     74.0km
総標高差   3988m
平均速度   5.5km/h
消費カロリー 7312kcal
平均心拍   136bpm


雑感
(1)第二関門、第三関門の制限時間は+30分で丁度良かったのではと思います。リザルトを見ると最後の完走者が14時間31分なので、第三関門をクリア出来たらやはり余裕でゴール出来たのでしょう。ゲームが易しすぎても難しすぎても面白くないのと同じで丁度良い匙加減が大事。+30分あったらもう少し完走者も増え、スリリングな展開を楽しめた人も多かったはず。
(2)以前は地元が出しているエイドもあったと思いますが、今回は無くてちょっと寂しかった。トレランの大会とか地元からするとあまりメリットは無いのかも。
(3)レポートの中でも書きましたが、論山の山道、あれを下りにするのは危険ですね。地図を見ると左の801mピークの尾根に道を付けたら良さそうだけど。
(4)ハセツネと氷ノ山
距離は14km程氷ノ山が長いが、総標高差はハセツネの方が700m程多い。ハセツネは殆どが登山道だが、氷ノ山は林道や舗装路の割合が高い。コース的にはハセツネの方が厳しく時間のかかるコースだけど、制限時間の短い氷ノ山の方が完走という意味では厳しいですね。
(5)ハセツネの反省から補食は羊羹とジェルを半々にしました。疲れた時や走っている時に採らないといけない場合はやっぱりジェルの方が良いですね。ただ、ジェルばかりだと腹に溜まった感がないので、歩いている時やエイドでの補給は羊羹、と使い分けるのが良さそうです。
(6)氷ノ山はストックが使えませんが、ストックが使えないと後半腹筋が疲れます。何時ものことですが腹筋の強化が課題です。